文書作成日:2025/05/08
リフィル処方箋の発行、実績ありの医療機関は47.4%/厚労省調査

 厚生労働省が公表した「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和6年度調査)」の報告案より、「長期処方やリフィル処方の実施状況調査」の結果に注目します。

 この調査は2025年1月に実施され、2024年3〜5月時点でのリフィル処方箋の発行経験の有無により、調査対象を区分して集計しています。

 今回はこの中から、施設を対象に実施された調査(病院・診療所調査)の内容を見ていきたいと思います。

リフィル処方箋の発行経験

 リフィル処方箋の発行経験があると回答した割合は、全体で47.4%、内訳では病院が40.6%、診療所が53.6%でした。

生活習慣病管理料の算定状況

 生活習慣病管理料(T)の算定状況は、下グラフのとおりです。リフィル処方箋の発行実績の有無による大きな差異は見られません。

[出典]「厚生労働省資料

 一方で、生活習慣病管理料(U)の算定状況については診療所で差が見られ、「発行あり」の診療所では53.0%が算定しているのに対し、「発行なし」の診療所での算定率は45.2%でした。

[出典]「厚生労働省資料

対応可能な旨の掲示の状況

 リフィル処方箋や長期処方に対応可能な旨の掲示の有無については、発行実績ありの診療所では3分の2が対応していると回答しています。

[出典]「厚生労働省資料

今後の対応

 リフィル処方箋の発行に関する今後の検討の見通しについては、発行経験のある医療機関では「患者の希望があれば検討する」との回答が最も多くなっています。一方で、発行経験のないところでは、病院の約4割、診療所の約6割が「検討には消極的」と回答しました。

[出典]「厚生労働省資料

 一方で、長期処方については、リフィル処方箋の発行実績の有無に関わらず、「患者希望があれば検討する」との回答が最も多くなっています。

[出典]「厚生労働省資料

 調査結果の詳細は、以下のサイトでご確認ください。

[参考]
 厚生労働省「中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会(第72回)

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